なぜソーシャルゲームは生まれたのか

ここ数年で日本におけるゲームの代名詞となりつつあるソーシャルゲーム。
多大な利益をもたらすと謂われるソーシャルゲームの仕組みはどうやって生まれたのか?
その経緯と今後について考えてみました。



ソーシャルゲームが生まれた原因のひとつには、中古販売問題があるのではないかと思います。

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90年代後半、中古ゲームソフト販売を巡る争いは激化していました。
中古を流通させないことで利益を確保したい製作会社側と、中古を流通させることで利益を確保したい販売会社側の争いは、法廷へ持ち込まれた末に販売会社側の勝利という形で幕を下ろしました。

中古販売が合法とみなされたことにより、その後のゲーム開発に大きな影響があったように思います。

それまでは「面白いものを作る」=「相応の利益に繋がる」だったことが、必ずしもそうではなくなってしまったのです。
時間と労力を掛けいいものを作っても、その中古品が市場でぐるぐると回っていてはその見返りたる利益は製作側に還元されません。
中古劣化の起こらない(プログラムとデータの集合体)テレビゲーム業界にとって、これは他の業界よりも深刻な問題だったはずです。

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ゲーム人口が急速に増え続けていた80年代であればそれでもなんとかなっていましたが、90年代に入って増え続けた人口に陰りが見え始めると、製作側よりも中古を含めた販売側の方が末永く利益を得られるという構図が出来上がっていました。

そしてその構図を合法であると認められてしまった制作会社側は、その打開策を模索するようになっていくのです。

打開策とは「利益を得る仕組み」を作ること。
それまでは純粋に「面白いもの」を作るだけでよかったゲーム業界は、「面白いもの」+「利益を得る仕組み」という2つの創作を余儀なくされていきました。

2000年代に入り、ゲームのオンライン化が差し迫ってくると「利益を得る仕組み」の模索は更に熱を帯びてきます。
データに鍵を付けて売る方法、データを切り売りする方法、ゲームをサービスとして提供する方法、国内外を問わず様々な手法が取り入れられていきました。

その「利益を得る仕組み」を模索した結果のひとつがソーシャルゲームにおけるガチャではないかと思うのです。

そして日本においてのみソーシャルゲームという分野がこれほどまでに利益拡大したのは、中古問題という助走に因ってより綿密に「利益を得る仕組み」が研究されたためではないかと。

中古問題で勝利を収めたはずの販売会社組織の弱体化、その母体となった販売会社の閉店合併倒産などを見れば真の勝者がどちらであったのかは明白でしょう。
オンラインでゲーム(アプリ)を購入することが珍しくなくなった今、それを他人に譲渡すること(中古利用)が認められていない現実にも皮肉を感じずにはいられません。


さて、ゲーム業界は大きな勝利を収めましたが果たしてこのままの状態が続くのでしょうか。

プレイヤー達が求めるものは間違いなく「面白いもの」、ただその一点です。
「面白いもの」+「利益を得る仕組み」のバランスが良好であれば問題はないでしょう。
しかしそのバランスが崩れ、「利益を得る仕組み」にゲームがコントロールされるようになってしまったら…?
娯楽溢れる現代社会、1つの娯楽が簡単に消えたとしても不思議ではありません。

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利益を得ることは悪いことではないのです。むしろ必要なことです。
ですがそのために本質を見失うと、その源泉(プレイヤー)を失うことに繋がります。
未だに存在していない「利益を得る仕組み」のルール作りが必要なのではないでしょうか。
多くのゲーム制作会社が中古問題に取り組み「利益を得る仕組み」を模索する中、老舗ゲーム制作会社の任天堂は独自の路線をひた走っていました。
それは、「ユーザーに飽きられない、長時間遊べるソフトの開発」。
ずっと手元に置いておきたいくらい「面白いもの」を作ればいいのだという方針ですね。
ここを掘り下げようとするとゲームとは?という大前提にまで話が及びそうなので、また別の機会に書かせてもらいたいと思います。

ともあれ、ゲームを愛する一人としてゲームは「面白いもの」であり続けて欲しいと願います。
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コメント

たる

いつも記事楽しみにしております

どうも課金系アプリは合わず、すぐやめてしまいます
アプリに限らず、グラフィックばかりで内容が薄いゲームが多くなってきたなぁと感じます
同じく面白いものであり続けて欲しいなぁと思います

りがみり

Re: タイトルなし
> たるさんへ

「利益を得る仕組み」に沿ったゲーム開発が行われているような印象を受けてしまいますね。
先に「面白いもの」を開発して、それを利益に繋げるための手段を選ぶ、構築する、という流れであってほしいです。
現実を知らない、青臭い、と言われてしまいそうですがw
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りがみり

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