FFXIのコンテンツに見るゲーム開発事情の変遷

最近なんとなく感じている事を、つらつらと。



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その昔、私たちは完成されたゲームにお金を出していました。

入念に練り込み、デバックをし、完成まで丁寧に作ることが理想であり、その出来栄えがゲームとしての価値であった時代。誰もが「良いものとはそういうものである」と信じて疑わなかったと思います。しかし、オンライン時代の到来と共に価値観を二分する流れが生まれます。

未完成であっても、不完全であっても、新しいものを早く多く楽しめるなら良いとする流れ。従来とは真逆のこの価値観は急速に広まり、ゲームの在り様を大きく変化させました。オンライン化によって齎されたこの流れは、今思えばずっと燻っていた欲求であったようにも思います。それは完璧を求めるが故の反発であり、長年たまりにたまったものが噴出した結果とも言えそうです。
時期で言えば、2000年代初めから2010年の間でしょうか。新しい時代の幕開けを機に噴出したこの欲求は、ゲームの作り方や拡がり方、ゲームとの関係性や付き合い方を変化させてきたように思います。


FFXIはこの時代の真っただ中を駆け抜けたゲームです。
最初期の開発は可能な限り完成されたものを追加しようとしていましたし、プレイヤー側もそれを求めていたと思います。それは正式サービス開始からアトルガン中期までだったと私は考えています。
コンテンツで言えば、レベル上げ(限界突破クエスト含む一連の流れ)、裏空海、アサルト、ナイズル辺りでしょうか。

しかし、時代の流れと共に後々の調整を前提とした荒削りの追加が増えていきます。
パンクラティオンやアビセアン、VWやWOC等々、数え上げればキリが無いですね。
これによって未完成であっても早く多く遊べる事に価値を見出すプレイヤーと、完成されたものを後でゆっくり楽しむ事に価値を見出すプレイヤーとに分かれたか?と言われると、そうではないように思います。

FFXIに限って言うならば、「完成されたコンテンツを早く多く追加することに価値がある」といった様な良いとこ取りを求める方向へプレイヤー全体が変化したと感じます。完成されたコンテンツを待って遊ぶサイクルを繰り返してきた訳ですから、追加が早まれば「完成されたものが早く出てきた」と受け取るのは当然と言えば当然です。
開発側もまた、未完成を強調する事はありませんでしたし、「完成されたものを早く出す」という理想を否定するような発言は殆どありませんでした。それは開発者としてのプライドであったのかもしれませんし、一時代を築き上げた自社サービスを貶めるような表現は避けたかったのかもしれません。
結果として、未完成品を完成品として受け取り失望するプレイヤーと、遊ぶ人が減ってから完成するコンテンツが蓄積されていくのです。

これはオフラインからオンラインへの変化の時代に翻弄された様々な出来事の一端であり、FFXIはそれを今に残す生き証人的ゲームと言えるでしょう。
そういった事が繰り返されて十余年、最近になってようやく完成を待つプレイヤーが増えてきたように感じます。
これは同じゲーム内に異なるマジョリティが存在しているという事であり、最近感じる二極化のポジティブな面でもあるかもしれません。
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コメント

すがり

No title
FF11開発陣の未完成の集大成が旧FF14ですね。

-

No title
専門用語になってしまいますが、流行の「アジャイル開発」を曲解して、不具合があっても定期的なリリースが是であるとするサービスが多いですね...
アジャイル開発だろうがリリースされるものにはバグは御法度なのですが(荒削り等、バランス調整に余地がある状態で出てくることは許容されます)、バグあっても直せば良いだろ的な態度が散見される開発陣の多いこと多いこと。

そういう意味では、FFXIは規模縮小しても定期的にそこそこの規模のコンテンツを致命的なバグ無しで出し続けていることは賞賛に値すると思います。

りがみり

Re: No title
> FF11開発陣の未完成の集大成が旧FF14ですね。

それもまた変化の時代に翻弄された一端であるかもしれませんね。



> 専門用語になってしまいますが、流行の「アジャイル開発」を曲解して、不具合があっても定期的なリリースが是であるとするサービスが多いですね...

正式な用語があるのですね。勉強不足でお恥ずかしい。
開発にかかる時間の多くはデバッグだと聞いた事があるので、リリースを急ぐために犠牲になりがちなのかもしれませんね。
不具合という観点から見ると、FFXIのコンテンツにはあまり見られなかった様に思います。

No title
> 専門用語になってしまいますが、流行の「アジャイル開発」を曲解

日本のIT開発は先進国に比べて2周ぐらい遅れてるのでしょうがないっすねw
それがITドカタとか派遣奴隷産業とかいわれるゆえんなので・・・

> 正式な用語があるのですね。勉強不足でお恥ずかしい。
> 開発にかかる時間の多くはデバッグだと聞いた事があるので、リリースを
> 急ぐために犠牲になりがちなのかもしれませんね。

専門用語と言っても大したものではなくてふつーのごく世間一般でやってる
物作りは工程は上流から順に行うウォーターフォール型と言われるもので、それに
対してHWとSWだったり純粋にSWのみだと工程の順を追わなくても作れるところから
作っていけばいいのでアジャイル型という仕様変更なんかに強い開発スタイルがそれですな。
ただこれは開発者自身がプロジェクトマネジメントや工数管理の重要性を理解し、
日々の報告をまめに出来る人でないと出来ないので相当敷居が高いです。
(簡単に言えば11内でのコンテンツ周回計画や編成、トリガー取り、希望取得状況や
進捗管理をメンバー全員ほぼ誰でも出来るレベルでないと不可能と思って下さい)

ちなみにテストやデバッグという工程はソフト開発の最下流になるので
往々にしておざなりですw日本でまともにテストしている会社はほぼないと
いってもいいレベルかも・・・
11はゲーム内容はともかくゲームシステムそのもののバグは少ないので
その中では比較的マシかも知れませんね(といってもデスモンペ事件なんか
ありましたが)

りがみり

Re: No title
バグが少ないのは思ったより凄い事なんですね。
初期開発陣が誰でも弄れるような分かり易い仕組みを構築したとの話もあるので、その辺も影響してるのかな。
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