古き時代のヴァナを追体験する15周年エミネンス・レコードから、当時を振り返ってアレコレ。
今回は、「ジンクス」。

北西を向くと不意打ちがミスになる。
ジンクスと聞いて、最初に私の頭に浮かんだのはコレでした。
「キャラの向いた方角まで認識するなんてそんなこと可能なはずがない」「何かの間違いでたまたまミスっただけ」「ただのジンクス」。
そんな風に言われていた不意打ち鬼門も、実際に多くの人が試し事実であることが発覚、後にバグとして修正されました。
不意打ち鬼門に関してはジンクスではなく事実だったわけですが、この一連の流れで強く感じたのは、プレイヤーの想像以上のことがこのゲームには潜んでいるという、ある種の疑心。
信じられないくらい分厚い辞典のような説明書にも、全ては書かれていなかったのです。
“無い”だろうと思えることでも、実は“有る”かもしれない。
そんな疑心は謎を増やし、多くの「ジンクス」を生み出すこととなります。
合成も例外ではなく、不意打ち鬼門に倣ってか、座るときの方角によって成功率が変わるなんてジンクスも実しやかに囁かれていました。
他にも、場所や天候の影響を受ける、曜日や月齢によってHQ率が変わるなどなど、合成周りのジンクスは特に多かったように思います。
最近になって、合成は曜日月齢の影響を受けないと明かされ、光曜日に合成を行うとHQ率が上がるという根強いジンクスは否定されました。
しかしあまりに根強く支持されていたためか、15周年エミネンス・レコードに「ジンクス(W)」として収められることになります。
面白いのはここから。
開発側から否定されたにも関わらず、未だに満月光曜日にHQ狙いの高額合成を行うプレイヤーが多く存在するのです。
しかもそれなりにHQも出来ているんですよね。
満月光曜日に集中して行うわけですから、そこでHQ品が多く完成するのは当然と言えば当然です。
開発側も知らない何かが作用している訳ではないでしょう。
では開発の正式見解を否定するかのようなこの行為は、愚かな事なのでしょうか?
ジンクスとは主観的なものです。
その行為によって本人が納得できるのであれば、意味のある事だと私は思います。
事実よりもジンクスを優先する人が集まり、文化めいた何かを形成していく過程を垣間見ている…そんな風に考えると、この一連の流れが面白く見えてこないでしょうか。
今こうして考えると、疑心が世界の奥深さを演出し、それが魅力となってFFXIを支える一部になっていたと感じます。
疑心から生まれた魅力が受け継がれ、希薄で弱いながらも一種の文化めいたジンクスを形成するに至ったのは、誰も予想し得なかった奇跡的な事なのかもしれません。
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コメント
ベルカーブメキシカンハット
お前が光曜日に合成しなかったからHQができなかった。
自分が所属してたLSではこういうことを言う輩がリーダーを名乗っていました。
ジンクス(W)をやるたびに自分はⅪの負の歴史と向かい合ってる気がしますけどね
2018/02/20 URL 編集
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最後の一段落とかまさにff11 の魅力そのもの、と感じました。
2018/02/20 URL 編集
りがみり
ありがとうございます!
少しでもFFXIについて考える機会になれていれば幸いです。
2018/02/20 URL 編集